プロフィール
有限会社後藤屋
今井 海咲さん
松江市出身。島根県立松江ろう学校産業技術科木芸コースを卒業。細かいものづくりや歴史が好きで、木芸コースを選び専門的に学んだ。進路に悩みながらも、興味のある分野で就職を目指し、先生の紹介と3回の実習を経て入社。現在、入社1年目。聴覚障がいを抱えながらも、伝統建築の技を受け継ぐために日々奮闘している。
会社紹介
創業は明治元年。日本で古くから連綿と受け継がれる伝統建築工法(宮大工)による社寺仏閣の新築・改築・修繕を行う職人集団。出雲大社、松江城、二条城など、国宝級の歴史建造物の修繕実績を多数持つ。金物を一切使わず、木組みで建物を建てる高度な技術を継承し、次の世代へと受け継いでいる。
入社のきっかけ
当初は自衛隊に入隊したいと思っていましたが、障がいのため叶いませんでした。それ以外に特にやりたい仕事もなかったのですが、高校で学んだことや自分の興味を活かせる仕事に就きたいと考えるようになりました。そんなとき、担任の先生が一生懸命探してくださったのが「後藤屋」でした。在学中に3 回実習に行かせてもらい、職場の方々が障がいを理解してサポートしてくれる雰囲気に触れ、ここで挑戦することを決意しました。厳しい世界ではありますが、温かく迎えてくださった社長や職人の方々の人柄に惹かれ、この道を選びました。
業務内容
日本の伝統建築の新築や修繕など、さまざまな仕事を手伝っています。今まで携わった主な仕事は、比婆山久米神社や出雲市旧大社駅、松江の武家屋敷など、歴史的な建築物の修復作業です。作業は日によって異なり、木材の加工・整備、現場での修復作業や掃除など多岐にわたります。釘を使わず木材同士を組み合わせる、昔ながらの伝統的な工法を手伝い、技能を少しずつ習得しています。一つひとつの作業に真剣に向き合いながら、専門的な技術を身に付けることにやりがいを感じています。
職場・仕事の魅力
仕事自体は厳しいことも多く、叱られることもありますが、それは「成長してほしい」という期待だと感じています。だからこそ、「負けたくない、諦めずに頑張ろう」と思えます。
この仕事のやりがいは、任された作業が完成し、美しい建物を目にしたときに得られる達成感です。また、高校で学んだ木芸の知識をさらに深め、継手や仕口などの専門的な伝統技術を日々身につけられる点も魅力です。そして何より、社長をはじめ職場の方々が私の障がいを理解し、温かくサポートしてくれる環境こそ最大の魅力です。いつか大きな歴史的建物の修復を任される職人になることを目指しています。
やすぎで働くってどんな感じ?
松江市を離れ、安来で一人暮らしをしながら働いています。安来では、人と協力し、意見を尊重し合う文化が根付いており、みんなで助け合いながら一生懸命働く姿に感銘を受けました。自然が豊かで温かい人が多い環境で仕事ができることは、大きなメリットです。仕事は大変ですが、休みの日には実家に帰って兄弟と遊んだり友達と会って心を切り替えて頑張ろうという気持ちになります。
安来市で就職を考えている方へのメッセージ
私は聴覚障がいがあり、一般的な仕事は難しいと感じることもあります。それでも、私にもできることや役に立てる力があると信じています。どんな人にも、それぞれの才能や力があるように、障がいがあっても同じです。難しいことがあっても、立ち上がる力は必ずあります。決して諦めず、自信を持って自分の道を進んでほしいと思います。
私もこの仕事を通して、「障がいがあっても宮大工という伝統的な仕事に挑戦できる」と伝えたいです。安来で働く人たちは温かく、困ったときには頼りになります。ぜひ、一緒にこの安来で働いてみませんか?