佐藤明次さん・香苗さん

安来の就農支援制度はきめ細かく、新規就農者には絶好の環境です。 子育てにも親身になってくれる大人が、多く身近にいます。

プロフィール

Iターン
&
Uターン
佐藤ご夫婦
佐藤 明次さん・香苗さん
やすぎぐらし歴5年|東京都から

ご夫婦でトルコギキョウ、ストックなどの花栽培に従事。

佐藤明次(はるつぐ)さん(48歳)は、東京都出身。
東京でコンピューターのシステム開発の仕事に携わる。仕事先で出会った安来市出身の香苗(かなえ)さんと結婚。平成24年、香苗さんの実家がある安来市へIターン。
香苗さん(40歳)は、安来市出身。地元の高校を卒業後、東京の会社に就職。
明次さんの移住にともない安来市比田にUターン。家族は、ご夫婦とお子さん、香苗さんのご両親5人家族。

※2017年6月取材

移住を考えられた動機は

【明次さん】
子どもが3歳を迎えた頃、子育てするには夫婦だけでなく、親身になって育ててくれる多くの大人が身近にいた方が良いのではないかと考えるようになりました。ちょうどその頃、東日本大震災を経験し、より一層東京からの移住を真剣に考えるようになりました。移住するなら身内の居る妻の故郷が良いと思い、安来に移住することに決めました。

【香苗さん】
就職に伴い上京し、十数年のうちに仕事、結婚、出産を経て、都会で子育てをすることに違和感を感じていた頃、東日本大震災が起きました。 近くのスーパーから品物が消え、ガソリンスタンドには長蛇の列、改めて都会暮らしの脆さを感じました。
そんな折、思いがけず夫から安来への移住を提案され、思い切って安来に帰ることにしました。

初めての田舎暮らしの感想は

佐藤ご夫婦

初めて東京を離れての生活ですが、もともとマイペースなところがあるので、田舎の生活に戸惑いやギャップはあまり感じていません。
小学生になった子どもも、時折、作業場の近くに来ては自分なりの遊びを見つけて、野原を駆け回り楽しんでいるようです。
東京では交通量が多く、子どもを一人で家の外で遊ばせることは難しい環境でしたが、ここでは安心してのびのびと遊ばせることができます。

現在のお仕事の状況は

トルコギキョウ

実は、初めから就農を目指していたわけではありませんでした。
移住を検討してから東京で開催された「島根県UIターンフェア」に行った折、安来市の担当者から就農の提案を受けました。国や市の就農支援制度の話を聞き、それなら自分にも可能性があると思い、就農することにしました。 花の栽培を選んだのは、妻の実家が菊栽培をしていること、妻の従弟もUターンして花の栽培をしていることなどから決めました。

佐藤ご夫婦のビニールハウス

初年度は経費も多くかかり、何をして良いかわからないことだらけで、おまけに雑草が茂り、苗が十分に育たずほとんど売り物にならない状態で気持ちが打ちのめされました。 温度や水分の管理など試行錯誤を続け、少しずつ技術を習得し、現在13アールの畑にハウス5棟で栽培をしています。

品目は、夏場はトルコギキョウ、冬場はストックをメインに、そして盆の花用にアスターを栽培しています。 トルコギキョウは出荷をする前に「草姿(そうし)を整える」ことが必要です。これは、余分な花芽や葉などを落とし、花の姿を整える作業で、とても重要なものです。しかし大変手間がかかり、出荷時期には寝る間もないほど忙しくなります。

今後の抱負について

平成28年「島根の花」品評会で最優秀賞の農林水産大臣賞に選ばれた、佐藤明次さん出品のトルコギキョウ「SO八雲小町」

平成28年「島根の花」品評会で最優秀賞の農林水産大臣賞に選ばれた、佐藤明次さん出品のトルコギキョウ「SO八雲小町」
注)SOは「島根県オリジナル」の略で、県農業技術センターのオリジナル品種

昨年、「島根の花」品評会に出品したトルコギキョウが農林水産大臣賞を受賞しました。 この品評会は、島根の花の評価を高め、栽培農家の経営安定に役立てようと毎年開催されている県下最大のイベントです。
しかし昨年は天候不順に加えて病害虫発生の影響もあって出品数が少なかったこともあり、受賞したといっても自分としては満足していません。
比田地区は、高冷地のため、春から夏にかけて1日の温度変化が大きく、その影響で花の色も良くなるなど栽培にはとても適した環境にあります。 現在の栽培面積は、専業農家としては小さい方ですが、これから栽培面積を増やし、ハウスも2棟増設予定です。また、秋から冬にかけて収穫できる新たな品目にチャレンジし、一年を通じてしっかり収益が上がる状態にしていきたいです。

これから移住を考えておられる方へ

佐藤ご夫婦

比田は子育てにはとても良い環境です。子どもの数が少ないこともあり待機児童の問題もありません。学校でも一人ひとり細やかに見てもらえ、のびのびと育っています。 安来の就農支援制度はきめ細かく、とても充実しています。誰でも確実に成功できるわけではありませんが、新規就農者には絶好の環境です。 年々農業をする人が減ってきており、耕作面積も減少しています。移住してこられる方には是非農業にチャレンジしてもらいたいと思います。 就農する上で、これまでの仕事で培った知識や経験は絶対に無駄にならないと思います。それらを農業に応用して生かしてみてはいかがでしょうか。